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ブラック・スワン

土曜日に観てきましたよ~ 話題のブラック・スワン

アカデミー主演女優賞を獲得したナタリー・ポートマンの演技は素晴らしく、華奢で臆病で、触れるだけで壊れてしまうような白鳥の役を見事に演じていました。

そんな彼女が王子を誘惑する黒鳥をどう演じきるかが本作のテーマなのですが、それはナタリー本人のイメージとぴったり一致し、まるで地で演じているような内面の葛藤は、真に迫るものがありました。

途中、ウ~ン・・・これってオカルト?なんて思うようなシーンも結構ありましたが、ナタリーのダンスシーンを接写するカメラワークが素晴らしく、見終わると再びダンスのシーンを鑑賞したくなるほど、ステキでした。

アクション映画などの危険なシーンの撮影には、俳優に代わって実際にスタント・プレイを行う代役「スタント・ダブル(Stunt Double)」が存在します。同様に本作のバレ・ーシーンには、”Dance Double” つまり踊りの代役がいました。

彼女の名前はサラ・レイン(Sarah Lane)、プロのバレリーナです。

通常、代役は無名で終わるのですが、彼女が突如マスコミに登場し、「ダンス・シーンの95%は私よ! 小さい頃に多少バレーを習ったからと言って、わずか1年の練習で踊れるようになるほどバレーは甘いもんじゃないわ!」とクレームしたことから、大騒ぎになりました。

プロのバレリーナに対するリスペクトが不足していると感じたようです。

一方、制作側は「ダンスの85%はナタリーポートマンだ」と主張しています。
ナタリーの顔のクローズアップ・シーンも含めて計算するとそうなるとのことですが、これに対してサラ側は、「全身のダンスシーンではわずか5%だ」と譲りません。

映画のエンドクレジットで、サラ・レインの名前がナタリー・ポートマンの隣りに大々的に表示されなかったことや、アカデミー受賞式でナタリーポートマンがサラ・レインにひと言も感謝の辞を表明しなかったことなどに不満を感じたのが原因のようです。

こちらのシーンは、ほぼ全部ナタリー・ポートマン自身によるものだとされています。この難しいシーンを演じきった役者としてナタリーは高く評価されてはいますが、これをダンスとして見た場合、バレー特有の軽さや柔らかさ、そして黒鳥の妖艶さに欠ける気がします。

動きがなんとなく「重い」印象ですよね。映画全体がこんな雰囲気になってしまっては台無しですから、ダンス・ダブルをうまく使う必要があったわけです。

ただ、映画におけるスタント・ダブルは「縁の下の力持ち」に徹することが常識。決して表に出ることがないからこそ、まるで俳優自身が演じたかのように見せる「引き立て役」として価値があるはずです。

世間の誤解を解くためなどと言って表に出てきてしまっては、本末転倒のような気がします。「1年で踊れるようになる、なんて思われてはプロのバレリーナに対する侮辱よ」とマスコミに登場したサラ・レインの言動には、ちょっと首を傾げてしまいますが・・・

そんなハプニングも尻目に、本作は10億円の制作費ながらも収益は240億円を超え、興行的には大成功を収めています。



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