日本ではそれほど有名ではないのですが、イギリスの天才ヴァイオリニストとして独自の活動を続けているヴァネッサ・メイ (Vanessa Mae)をご存知ですか?
幼少時からクラシック・ヴァイオリンで腕を磨き、13歳でチャイコフスキーとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を録音し最年少録音記録を塗り替えるなど、世界の注目を集めました。
成人してからは、その高度な技術を武器に、ダンスやロックのジャンルにヴァイオリンをリード楽器として積極的に取り入れています。ミュージック・ビデオも制作し、ビジュアルにも楽しめるのが特徴です。
中でも、ダンス音楽のジャンルである Contradanza は、ギターやキーボードとの共演が見事です。
ヴァネッサは、終始ノリノリです。最前列の観客の前にひざまずいて演奏したり、ステージを縦横に移動する様は、まるでロックスターのよう。
同じくテンポの速い曲目ストームのライブ映像もオススメです。客席まで出て行って派手に動き回りながら演奏するなど、クラシック音楽の伝統に束縛されて訓練を積んできた他の演奏家には、絶対真似のできないパフォーマンスでしょう。ロックコンサートのような巨大ホールは満場で、オジサマ・オバサマたちの目が点になっちゃってます。
ヴァネッサの場合、10代のうちに基本テクニックを全部マスターしてしまって、クラシックはいわば卒業したかたちに。その後は伝統文化の型にはめられるのを拒否し、まだフレッシュで柔軟な感性を武器に新しいジャンルに挑戦しているようです。今後がとても楽しみですよね。(o^∇^o)ノ
ところでこのヴェネッサ、日本では急に知られるようになりました。フィギュアスケートで金メダルを獲った荒川静香さんが、例の「イナバウアー」を披露するフリー演技で、彼女が演奏する曲を使ったんです。
その プッチーニの歌劇トゥーランドットのアリアはこちら Nessum Dorma Fantasia Violin (誰も寝てはならぬ/ヴァイオリンファンタジー)です。とても美しい曲ですよね(o^∇^o)ノ
このアルバムに収録されています:
さて、バイオリンの名曲と言えば、ツィゴイネルワイゼン。こんな難しい曲を弾ける人がいることすら信じられないのですが、比較して聴いてみると、その演奏スタイルにも強く個性が表れていて面白いです。
- まずは「ヴァイオリニストの王」ヤッシャ・ハイフェッツによる演奏。正確無比の圧倒的な技術とスピードで、同時代のヴァイオリニストを全員ノイローゼにしてしまったとまで言われています。
- こちらは、現代最高のヴァイオリニストのひとりと言われるイツァーク・パールマンの演奏。明るくコミカルな言動や風貌がとても好印象です。
- 女性だけのオーケストラでは、Bojidara Kouzmanova による情感溢れる演奏が見事です。
あるときは激しく叫ぶように、あるときはすすり泣くように、ヴァイオリンの音色って本当にステキですよね。(^○^) 秋の夜長に、その繊細な音色に耳を傾けてみてはいかがでしょう。










